私は現地法人との契約なので税金がらみをほぼ自分で手続きする必要があります。
あまり情報がないのでまとめてみました。
まず言えるのは、日本よりも圧倒的に税金が安い!ということです。
もし年収2000万円の人なら、税引き後の手取りで400万円は差が出るのではないでしょうか。1000万円くらいでも200万程度の差が出ると思います。課税所得の税率などをまとめてみました。
毎月の控除
日本のような源泉徴収はありません。所得税・地方税・社会保険(雇用保険や健康保険)分が引かれないので、もし日本と同じ金額をもらえば毎月の手取りは大分差がでてきます。(もちろん、あとで所得税は一括でとられますが。)
唯一の控除として、香港にはMPFという制度があります。
これは日本の401Kに似ていて、強制的に一定額をHSBCやスタンダードチャータなどを通してファンドに投資する必要があり、通常その分は引かれた顎が手取りとして振り込まれます。
低賃金の人は会社側のみの負担になりますが、大体の人は、最低月15000円程度の投資が必須です。あとは、会社側の制度によっては、増額できたり、その分を会社からも補助してくれたりします。
源泉徴収がなくなって、毎月の手取りが大きくなるのは嬉しくても、社会保険が無い=何かの時にサポートがない、ということなので、楽観はできません。
健康保険はある程度の規模の会社なら提供してくれますが、会社対民間の保険会社との契約によるので、日本のように患者が一律3割負担と簡単ではなく、色々な条件があり注意が必要です。歯医者分は対象外などという場合も結構あるので、任意で加入している人もいます。
また、雇用保険がないのに合わせて、日本のような手厚い労働基準法もないし、労働組合のようなものはまず無いので、リストラされた時のリスクは大きいですね。
所得税率
香港での税率は一律15%または累進課税(上限17%)のどちらかを選べます。
[香港の累進課税の税率]
Net chargeable Income | Rate | Tax | |
---|---|---|---|
$ | $ | ||
On the First | 40,000 | 2% | 800 |
On the Next | 40,000 | 7% | 2,800 |
80,000 | 3,600 | ||
On the Next | 40,000 | 12% | 4,800 |
120,000 | 8,400 | ||
Remainder | 17% |
http://www.gov.hk/en/residents/taxes/taxfiling/taxrates/salariesrates.htm
[日本の累進課税の税率(2011年)]
課税される所得金額 | 税率 | 速算控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
これを比べると、香港の課税所得120万円以上は17%で一律というのはかなり恵まれていますね。
また基礎控除が200万円程度と大きく、また傾斜も緩やかなため、通常、年収2M HKドル(2000万円相当)程度までは累進の方がお得です。
日本では、基礎控除が100万円もいかないし、さらに所得税・地方税も最高45%程度と高いので、圧倒的に香港の方が安いですね。
また、 キャピタルゲインが非課税、というのはものすごく大きい。(キャピタルゲインとは株などの投資による利益)。
この所得税の低さと、キャピタルゲイン非課税、の2点が金融マンや富裕層が香港に集まる一番の原因でしょう。
控除
控除は独身なら100万程度までは基礎控除されて非課税。さらに扶養の数に応じて260万円程度控除されます。
http://www.gov.hk/en/residents/taxes/salaries/allowances/allowances/7years.htm
さらに
- 寄付控除 (日本みたいに最低5万円以上とかの縛りなし。)
- 家賃控除(これがでかい。家賃支払分の9割程度を控除に充てられる)
- 就労のための勉強代 (資格学校など。これも結構大きい。)
- 自営、セールス業なら営業経費
といった控除も認められます。
家賃控除は月収と同じ程度まで認められます。この辺りが不動産熱を加熱させる仕組みにもなっているんでしょうね。
時期
毎年4月に香港税務署から案内が来るので、一か月以内にWEBまたは書面で返信します。
会社からも別途、給与支払額を申請していますが、個人でも控除分などを計算して申請が必要です。
外国人の場合、初年度は、2年分払う必要あります。
WEBでは日本のようなICカードは必要ありません。ログインとパスワード、あとHKIDでOKです。
私は控除の計算などが不安だったのでWEBでやりました。
支払
PPSというオンライン決済か銀行振り込みが中心です。翌年の1月と4月の2回に分けて振り込みます。
詳しい計算はわかりませんが、私の場合、1月分が8割、4月が2割、という感じでした。
その他
一番理想的なのが、日本の給与水準で香港の税金を払う、ということです。ただそのためには、住民票を日本から香港に移す必要があるのが難点。
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