オーディオに対する見解
オーディオに関しての意見は音響工学、電磁気学にのっとった理論的なものから、明らかにオカルト・迷信に属するものまで本当に雑多です。そこで、大学で学んだ電磁気学と、常識的な物理の知識を統合した私なりの意見をまとめていきます。
構成を変えれば、音も変わる。
スピーカーの置き場所などを変えれば音が変わるのは当然です。また、スピーカーケーブルを変えれば電気特性も変わるので、やはり音も大なり小なり変化します。
でも、それが良くなったのか、悪くなったのかというのは、かなりその人次第によります。どの位変わったかも、その人の感じ方に大きく影響されます。信号ケーブルになると、よほど粗悪なものを使っていたのでないかぎり、電気工学的には変化はありません。
でも、高いモノに構成を変えれば、その音の変化が心理的に「良くなった」と思いたくなるのが性。
構成を変えた=>音が変わった
という単純な結果を、高いものを入れるだけで
構成を高いものに変えた=>音が変わった=>音が良くなった
と、良くなったという結論までつながっているかは、かなり眉つばな事が殆どです。
電気特性より、音響工学と聴覚特性をまず知るべき
良いオーディオ構成が目指すところは、聞き手にどう聞こえるか、にかかっています。
となると、どういう音波だとどう聞こえるか、についてまず知るべきです。いわゆるラウドネス曲線などの音響生理学、聴覚特性です。また、音波がどのように伝わって来ているのか、については音響工学として研究されています。
分かりやすいスライド
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2005_14630/slides/07/5.html
ケーブルやパーツの変更によって影響を受けるのは電磁気学にのっとった性質です。しかしそこでの違いはもちろん目で見ることもできなく、素人では測定すら難しいミクロなレベル。
直流抵抗の多少が与える影響ならまだしも理解できますが、静電容量、表皮効果などが音に与える影響となると、まず理論的に証明できません。電源の質、伝送効率の影響が最終的に音の品質に与える影響もかなり眉つばです。
それよりも、スピーカーの置き位置、反響、リスニングポイント、耳の構造、音量による低音可聴域の損失など物理的な違いは、直接的に聞こえ方に影響し、また断然大きい差を生みます。
効果があるか分からない、電磁気学にはまるより、音響工学と聴覚特性にまず踏み込む方が正しいアプローチです。
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