なんでもエコに結びつける風潮の中で最も気になるのが、原子力発電は火力発電よりエコだ、という論理が出てきていること。
エコ=CO2排出量削減 という視点だけになると確かに火力発電よりいいが、他の視点から見ると、原発が自然環境にやさしいとは決していえないのは誰でもわかると思う。
エコブームの前までは、放射性廃棄物処理の半永久的な問題から、原発は環境破壊の代名詞のように扱っていたのに、最近その流れがなくなってきていると思う。
他の発電方法と比べてみるために、日本の発電量の割合を見ると、原子力・火力で日本の9割の発電をまかなっている。
原子力発電 | ・・・・ | 25.6% |
石油 | ・・・・ | 11.8% |
石炭 | ・・・・ | 25.3% |
LNG | ・・・・ | 27.4% |
水力発電 | ・・・・ | 7.6% |
その他 | ・・・・ | 2.3% |
(出典:2007年度実績(資源エネルギー庁「電源開発の概要」)
しかし、この状況でCO2排出削減と火力発電制限を結びつけてしまうと、原子力発電に注力せざるをえなくなってしまう。
この状況はほぼ世界的に当てはまるので、そうなるとCO2排出を制限していく流れが出ていることは、実は、原子力発電にシフトしたいからなのでは。
そこで思い出すのが、昨年5月の麻生政権の時に結ばれたロシアとの原子力協定。なんかタイミングも良すぎるような。政権変わってもここの流れは変わっていないし。
原子力大国を目指すロシア、既存の技術の輸出で儲けたい企業、関連施設の設置場所に悩む日本。そういった思惑の見える協定だけど、それを後押しする流れになっているのかな。
エコを意識するのは大切だけど、エコ=CO2削減=原子力発電 推進 と勝手になっていくのは、違うなと。
エコだけなら、CO2排出した方が結果的に良い、という結論もありえるわけですし。
火力・原子力に変わる代替エネルギーはまだまだ現実的ではないですが、それにしても最近は、火力から原子力への回帰傾向が強まっていると感じるこのごろです。
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