厚生労働省が40年ぶりに発表した貧困率について。
全世帯で15.7%が貧困層に当たるとなっています。
客観的にいえるのはOECD世界平均が10%前後であるため、日本は貧困世帯が多い、ということです。
ちなみに、貧困率とは、可処分所得が中央値(大雑把に平均年収と思ってください)の半分である世帯の割合のことです。
所得分布から推測すると、日本では448万円が中央値なので、世帯年収224万円以下の世帯数がということになります。(*)
まず疑問なのは、なぜ厚生労働省が突然あえて発表したのか、という点。
私には
[厚生労働省の予算取り、および予想外に大きくなった概算要求の説明のため」
としか思えません。
世帯年収の統計はほぼ毎年発表されているため、貧困率を計算するのは簡単です。
40年ぶりにあえて発表したのは、そういった指標に疎いマスコミを、「貧困率が向上」という言葉で煽って、格差社会を強調し、福祉に関する予算を獲得しやすくしたいのじゃないかな。
実際「貧困率」と言えども、相対的貧困率なので、実際に貧困なのかは住む地域などに違い、一概に「貧困」とはいえない面があります。また可処分所得の計算方法が恣意的になりやすい。
そもそも中央値の半分だから貧困、というのは統計上に世界で基準を定めただけで、そこから問題点を考えるには大雑把すぎる値です。
個人的には貧困率は重要ではないと考えてまして、所得分布の話では、こちらの分布を見ると面白いです。
この分布上で見るべきは、平均所得金額ではありません。
・約50%の世帯がまとまって200-448万にいる
・中央値448万円近辺から急激に割合が減っていく(100万毎に20%減位)
・上位2割になるには約750万以上 (20-80 ルールの目安)
どこの国でも似たような所得分布の形ですし、中国などはもっと極端でしょう。
なぜ、この形になってしまうのか、どういう分布であるべきか、を考えてみたいですが、
所得分布や所得と可処分所得の関係などは、長くなってきますので、また後日続きを書きます。
(*可処分所得の割合を一定とした場合)
■日本の貧困率は15.7% 厚労省が初公表-貧困への道を自ら望んでひた走る若者が増加しつつある!!
こんにちは。日本の貧困率結構増えてきているように見えます。ただし、もっと重要なことは貧困率そのものではなく、旧来型の貧困とは異なる貧困も増えてきていることだと思います。いわゆる、貧困のために教育の機会がなかったなどの貧困の再生産ではなく、自らその道をひた走る若者が増えてきています。従来型の貧困であれば、お金をばら撒くことでもある程度解決はできますが、新しいタイプの貧困はそうはいきません。このタイプの人々は、自業自得というところもありますが、それでも、こうした先進国型の貧困者が増加すれば、社会不安を巻き起こすことには変わりありません。やはり、精神(考え方)を変えるといった意味で、社会常識・規範、住居、職業まで含めた包括的支援プログラムを提供することが重要になってくると思います。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。