ずっとタイミングを見計らっていたトヨタ会長の長男、豊田章男への大政奉還。来年3月までに全部ネガティブ要素を出し切って、「08年度の半世紀ぶりの営業赤字から、09年度V字回復」、というのをプレゼントしたいところでしょうか。
1500億円の赤字というも現時点のキャッシュのプールを考えるとそこまで大して打撃ではありません。むしろ、販売台数世界一、というあまり意味の無い目標を切り替えるきっかけになったと考えられます。
販売台数世界一でもそれが利益を生まなかったら意味がありません。
インドのタタが発表して話題になった30万円以下自動車「NANO」も実際の利益が見込れるか不明で、そのために販売がのびのびになっているとも考えられます。
来年四半期中に販売予定ですが、この折の金融恐慌とインドの経済を考えるとさらに延期か、販売しても当面はパフォーマンス程度の台数しか生産しない可能性が高いと思っています。
メーカサイドでの期間従業員の削減と合わせて、生産台数が減ることでサプライヤーの倒産もかなり懸念されます。社長交代が来年4月か6月前後だと読んで、それまで事業のスリム化にいそしむとなると、それまで耐えられるか不安です。
この辺りを踏まえてデンソーがマツダ株を買ったのかもしれません。サプライヤーが自由にメーカーを選べる実力(技術と営業力)を持つことで供給先を確保することが生き残る戦略です。
むしろ車全体で使われている技術の大半がサプライヤが握ってきており、メーカーの企画・販売力が弱ってくると徐々にサプライヤー優位で市場が動く可能性もあります。
将来的には車業界も、インテルのCPUとPCメーカーのような関係に徐々に移行して、各メーカーもあまり差別化が作れなく大衆車の低価格化が進むのではないかな、と大まかに予測しています。(高級車は、ブランド品のようなニーズとして残る。)
ちなみにスズキも鈴木会長が社長に戻って指揮をとりますし、やはり日本(またはアジア)では大会社でも一族経営になりやすいのですね。
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