Amazonで200円位で売りに出てたのでの思わず買ってしまいました。大学生の頃にすごく流行ってたのを記憶してますが、当時は500ページ超という分厚さを敬遠して頭だけ立ち読みしただけでした。
読んでみると物語形式なのでスラスラと読めます。正味3-4時間位でした。
ざっくりストーリを話すと、残り3ヶ月で閉鎖を勧告された工場長が、昔の恩師の物理学者のアドバイスでTOC(制約理論)に基づいた生産管理を実施し見事立て直す。その中で様々な常識と考えていることが間違っていることに気づき、さらに一番重要なことは、そういった問題点を考えて改善を実践する思考プロセスにあることにあった。
Amazonにレビューも沢山あるので見てみてください。
翻訳は比較的自由裁量で出来るようで、翻訳書独特の堅苦しさもなく、また専門用語も殆どありません。工場が立ち直るまでのところは結構面白いく、ボトルネックを発見して解決していくところは「なるほど」と素直に感心しました。
ボトルネック(制約条件)は工場のような物理的な環境に限られず、金融などでもありえるのではないかな?と考えながら読んでみたので色々と考えさせるところがありました。
その面で、生産管理に興味がある人のみならず、会社がどうあるべきか、ということに興味のある方は一読する価値はあると思います。
ただ、会社が良くなると同時に夫婦関係まで良くなってしまうところや、自分が成功すると同時にライバルの出世が取りやめになってしまう典型的なサクセスストーリーの展開に少し疲れを感じてしました。。。。
思考プロセスは会社だけでなく人生を含めた全てに適応できる、ということを伝えたかったのでしょうが、正直夫婦関係の辺りは無かった方がより密度の濃い本になったのかなと。また、キャンペーンを中止せざるを得なくなったときもフォローなどが全く述べられていないし、恩師についても中途半端なところで終わってしまい、小説としては??な部分が多いです。
ので、楽しく読めるTOC入門書として素晴らしい、というのがこの本の私の位置づけです。500ページ超でも読みやすいのでそこは気後れしないで一度開いて見てください。
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
三本木 亮
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